籾殻と金木犀
今週のお題「秋の空気」
台風15号、19号と連続して関東周辺の地域に大きな被害をもたらしたのがついこの間でした。
それを挟むようにして季節は夏の蒸し暑さから一気にあき、そして冬の兆しさえ見えてきたように感じます。
仲間内でも「秋って短いよね」って話すくらい過去を振り返ると四季の中で『秋』を感じる日は一瞬で過ぎ去っていくように思います。
ただ、その短い期間の中で頭の中に思い浮かぶ風景は、いくつもあります。
「栗」「写生大会」「運動会」「紅葉」「修学旅行」「文化祭」「金木犀」…とあげ出したらキリがないくらいです。
その中でも、私の中に染み付いている「秋の空気」といえば収穫した米の籾殻を燃やしている匂いと庭先に植えてある金木犀の香りです。
私自身は千葉の片田舎で生まれ育ち、家の周りも田んぼで囲まれているような家なので、田んぼの風景の移り変わりが四季の移り変わりそのものでした。
その田んぼが唯一景色だけではなく匂いも変わるのが春の田植え時期の土の匂いと、秋、稲刈り後しばらく経って行われる籾殻焼きの匂いなのです。
この匂いを嗅ぐと「秋も深まってきだだなぁ」と感じ、運動会やら修学旅行など昔の思い出とともに秋の味覚も頭をよぎりはじめてきます。
そしては和の金木犀が花開きその香りが風に乗って漂ってくる頃には、外の空気も段々と冷たくなり、秋から冬へ変わり始める、極端な暑さや寒さのない過ごしやすい時期になってくることを感じます。
過ごしやすい気候と爽やかな日差し、そしてほんのりと甘い金木犀の香りが、昔から気分を楽しくしてくれるので、金木犀の香りが漂ってくると「あっなんかいいことありそう」って、淡い期待を感じる、そんな季節でもあります。