朝が来ないと夜が長い?
「明けない夜はない」
有名な言葉であるが、シェークスピアの「マクベス」の一節であることは、正直先ほど知った。
原文は「The night is long that never finds the day」
Google翻訳にかけてみると「夜は長く、その日は決して見つからない」となる。
「絶望名言」と言う本の表紙には「明けない夜もある」とある
直訳だけ見ると、こちらの方がピンとくる気もする。
この本はまだ読んでいないので詳しい内容はわからないが、希望を見出せなかったり絶望の淵にいる人とって、「明けない夜はない」と言われてもピンと来ないのは分かる。
「一晩寝たら全ての問題はオールクリアになるのか?」
「死んでしまった妻が翌朝には『おはよう』とキスしてくれるのか」
そんなことありえない。
絶望した人にとってそうした「闇」の部分は一生明けることないって話なんだろう。
確かにそうだ。
私も一時そちらの住人だったからそう言う気持ちもわかる。
でもある日、そんな自分の心に作られた暗闇の部屋には別の部屋の入り口があることがわかる。
実は、ずっと前から気がついていたが面倒くさくて明けていない部屋。
でも、その日は何か気まぐれでその入り口の扉を開けて見た。
するとその部屋から見た外の世界は既に夜が明けて何一つ変わらない日常があったのだ。
当然その部屋には夜も来るし夜の次には必ず朝が来る。
必ず来るとわかっているから朝が来るのを楽しみにできるし、夜は静かに朝を待って休んでいれば良い。
すごく当たり前のこと。
単に自分で勝手にカーテンを閉め切った「夜しかない部屋」にいたと言うことはそのとき初めて知る。
だから私が思うのは「明けない夜もたまにはある。だけど夜は必ず明ける。何度も夜はくるけど、夜が来た回数だけ朝もある」という事。